コロナ渦の畑にて

鶴岡にきて1年半が経ちました。

(冬休みをいただいて今は愛知にいます)

今年はコロナの影響でレストランはお休みになり、

畑も普段より静かでのんびりとした年になりました。

前回の投稿から1年が経ち

気づいたら年末になってしまったので、

今日は今年1年の振り返りをしたいと思います。

今年は初めての東北の冬を経験しました。

「鶴岡の冬を経験したことはありますか」が、

農業を学ぶために鶴岡に来ることを検討していると

伝えたときの市役所の人の最初の一言だったので、

沖縄育ちの僕はびびりまくっていましたが、

今年は暖冬で雪かきもあまり経験せずに春を迎えることができました。

冬場の種の選別や大工仕事が終わると、

外では山菜の季節が始まります。

ワラビやタラの芽、フキノトウが顔をだし、

そろそろレストランを始めようかなんて話していた頃

世界中を巻き込むあのニュースが僕らの街にも飛び込んできました。

冬の畑(1月)

所長:山澤 清の鶴の一声で、

「レストラン 土遊農」の今年の営業中止が決定し、

静かに春が始まりました。

春になると

人間社会の慌ただしさを余所に畑は活気づきます。

新芽が伸び、花が咲き始め、

畑はハコベに覆われます。

野菜の苗を作りと水やりが春の主な仕事で、

毎日ポットに種を植える日々が続きました。

今年は苗作りの他に養蚕のための

桑の挿し木という大きな仕事がありました。

春は過ごしやすく単純な作業が多い季節なので、

物事に集中したり

ゆっくり考えたりするのに適していて、

自分の成長を実感しやすい時期だなと感じました。

今年は豊作で収穫するのが大変だった。

6月になると待ちに待ったブラックベリーの季節だ!

レストランがお休みなので今年のブラックベリーは化粧品の試作用になった。

もし来年ご飯を食べに来ることがあれば、6月の中旬はおすすめしたい時期のひとつです。

夏の畑は戦場です。

前半は伸び始めた苗たちの移動や植え替えに追われ、草刈りに追われます。蚊との戦いのゴングも鳴ります。

(幸いにも最上川の河川敷にある畑には作物を植えていなかったので豪雨の被害は受けずに済みました)

そのうち暑さが増し、収穫が始まります。

夏野菜は成長が早く一日おいておくと見違えるほど大きくなるので段取りがとても大切です。

夏の畑(8月)

今年の夏は、多くの病気の症状が出ました。

「見せる畑」をテーマに4年間たくさん野菜を植えてきた弊害で、

土地を休ませる時間をあまりとれなかったせいです。

せっかくのコロナコロナということで畑を一度休ませることが決まり、

秋は仕事場が畑から山の中の温泉旅館跡に変わりました。

この旅館跡は廃業後、うちの所長が養蚕のために山ごと購入した場所で、

美しい東北の自然が残っている山でした。

蛙に蛇、山椒魚、野鼠、昆虫、鳥、

たくさんの生き物と出会うことができました。

(幻の蛇、シロマダラや野生の天蚕にも会うことができました)

動じないシュレーゲル

山での仕事は、3年間放置されていた際にたまった土砂の運び出し(人力)と

旅館内の大量のゴミの分別、冬支度等。

土砂の運び出しは男4人が一輪車とシャベルで毎日(木曜休み)運んでも、

3週間かかるほどの大仕事で終わったときには謎の達成感がありました。

山での力仕事が始まった頃の帰り道の空。

今年はコロナ渦ということもあり、

農作業だけでなく色々な仕事を経験することができ、

まさに「百姓」のような生活をした1年だったと思います。

しかし広く浅く面白い経験和たくさんできたと同時に

大工仕事、土木作業など農機具を握らない作業も多く

自分の求めていた学びとずれていることもあったように感じています。

予定では来年が鶴岡最後の年なので、

野菜(種)と料理の2つに重きを置き日々を過ごそうと思います。

来年は畑の横に水性生物の研究ハウスができたり、

畑の大改装があったりで面白そうなことが盛り沢山。

脱線しないように気を引き締めて帰ろう!

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